2人（り）はとても大（おお）きな声（こえ）で話（はなし）をしていたので
内容（ないよう）が耳（みみ）に入（はい）ってきました。

医療（いりょう）ボランティアと思われる女性（じょせい）が
大変（たいへん）流暢（りゅうちょう）な英語（えいご）で
日本（にほん）の医療（いりょう）システムや、
日本（にほん）での子育（こそだ）てのあれこれを説明（せつめい）しているようでしたが

細かく説明（せつめい）すればするほど、
その外国人（がいこくじん）女性（じょせい）は背中（せなか）を丸（まる）めていき、
どんどん自信（じしん）がなくなっていくのが見（み）て取（と）れました。


彼女（かのじょ）が求（もと）めていたのはただ単（たん）に、
情報（じょうほう）や説明（せつめい）を超（こえ）えた「何（なに）か」だったのです。

それは「寄（よ）り添（そ）い」だと感（かん）じました。

彼女（かのじょ）の不安（ふあん）に静（しず）かに耳（みみ）を傾（かたむ）け、
彼女（かのじょ）の大切（たいせつ）にしているものや文化（ぶんか）に敬意（けいい）を払（はら）い、
彼女（かのじょ）自身（じしん）が安心（あんしん）して出産（しゅっさん）を楽（たの）しめる環境（かんきょう）をサポートする
「姿勢（しせい）そのもの」「寄（よ）り添（そ）ってくれる存在（そんざい）」を、
彼女（かのじょ）は必要（ひつよう）としているのだと感（かん）じたのです。

そこから、
日本（にほん）に暮（く）らす外国人（がいこくじん）女性（じょせい）の、
文化（ぶんか）や宗教（しゅうきょう）、大切（たいせつ）にしていること、
その人（ひと）自身（じしん）の個性（こせい）に寄（よ）り添（そ）い、
日本（にほん）での安心（あんしん）した産前産後（さんぜんさんご）、
子育（こそだ）てをサポートすることを目的（もくてき）とした、
マザーズツリージャパンの活動（かつどう）が始（はじ）まりました。

翻（ひるがえ）って、
この活動（かつどう）は外国人（がいこくじん）女性（じょせい）だけではなく、
日本（にほん）に暮（く）らす女性（じょせい）のためにも実（じつ）はとても大切（たいせつ）な活動（かつどう）です。

「理想的（りそうてき）な子育（こそだ）て」「良（よ）い母親像（ははおやぞう）」に縛（しば）られて、
とても苦（くる）しい思（おも）いをしている女性（じょせい）がたくさんいます。

世界（せかい）には多様（たよう）で個性（こせい）豊（ゆた）かな子育（こそだ）てがあること、
そのどれもが素晴（すば）らしいことを知（し）ることは、
自分自身（じぶんじしん）の個性（こせい）を
認（みと）めて大切（たいせつ）にする子育（こそだ）てに繋（つな）がります。

自分（自分）の個性（こせい）を大切（たいせつ）にした、
自尊心（じそんしん）をきちんと持（も）った子育（こそだ）ては、
その子（こ）どもたちの自分（じぶん）や他者（たしゃ）を
きちんと大切（たいせつ）にする心（こころ）に繋（つな）がっていきます。

違（ちが）いを楽（たの）しむ
違（ちが）いを尊（とうと）ぶ
違（ちが）うことは豊（ゆた）かだと知（し）る

日本（にほん）での多様性（たようせい）を認（みと）め合（あ）う
子育（こそだ）てのベースとなりたい。

みんなが立（た）ち寄（よ）って安心（あんしん）できる
木（き）のように。

そんなことを大切（たいせつ）にした私（わたし）たちの活動（かつどう）に
どうぞ参加（さんか）してください。