未就学の外国ルーツの子どもとその親を対象とした
日本語ワークショップ
開催レポート
1.はじめに
NPO法人Mother’s Tree Japanは豊島区を拠点に、外国人の妊娠・出産・子育てをサポートしています。日本に暮らす外国ルーツの子どもたちは年々増加しており、2025年には1.5%が外国ルーツの子どもでした(文部科学省,2024)。外国ルーツの子どもたちは、日本語に触れる機会が十分でなく、生活のさまざまな場面で日本語でのコミュニケーションに困難を感じ、孤立してしまうこともあります。特に、小学校入学後は、言葉の壁によって授業についていけないなどの課題に直面することもあり、未就学児からの日本語教育は、就学後に向けた準備として重要です。また、親子が地域で孤立せず、安心して生活するためにも大切と考えられます。しかし、日本国内では、外国ルーツの子どもの中でも特に未就学児を対象とした日本語教育プログラムが実施された例は多くありません。
そのため、NPO法人Mother’s Tree Japanは、東洋大学福祉社会デザイン学部の南野奈津子ゼミに所属する学生とともに、遊びをとおして日本語に触れる、未就学児の外国ルーツの子どもとその親を対象とした日本語ワークショップを実施しました。
そのため、NPO法人Mother’s Tree Japanは、東洋大学福祉社会デザイン学部の南野奈津子ゼミに所属する学生とともに、遊びをとおして日本語に触れる、未就学児の外国ルーツの子どもとその親を対象とした日本語ワークショップを実施しました。
2.ワークショップの概要
ワークショップは2025年12月から2026年1月に全3回にわたって実施し、延べ64人(子26名、親38名)が参加しました。参加者は中国、台湾、ミャンマー、バングラデシュ、モンゴル、ベトナム出身の親子でした。日本語レベルはそれぞれの親子によって異なり、日常会話ができる参加者もいましたが、母語中心の人もいたため、通訳がサポートしました。会場は東洋大学赤羽キャンパス内の教室をお借りしました。スタッフは、福祉社会デザイン学部の南野奈津子教授とゼミに所属する学生9名、NPO法人Mother’s Tree Japanに所属する3名が中心となって準備を行なったほか、当日にもボランティアや通訳が集まり、毎回約20名のスタッフで運営しました。各回で実施内容は異なりましたが、すべての回で導入として手遊びを行い、活動終了時にはその日に学んだ言葉をスライドを投影して振り返るとともに、自宅でも使用できるようにラミネートして配布しました。
3.各回のテーマと内容
- 第1回 さわってみよう(2025年12月7日)
各ブースでは素材に実際に触れる活動を取り入れました。たとえば、「チクチクコーナー」ではたわしに触れてチクチクした感触を感じ、「ふわふわコーナー」では綿に触れてやわらかい感触を確かめました。「つるつるコーナー」では春雨をバットやカップに移し替える活動を通してつるつるした手触りを体験し、「もちもちコーナー」では小麦粉粘土を作ってこねたり伸ばしたりしながら感触を味わいました。また、「びりびりコーナー」では新聞紙とチラシを破る活動を行い、紙を破るときの音や感触を楽しみました。
- 第2回 いろとかたち(2026年1月11日)
- 第3回 お店屋さんごっこ(2026年1月25日)
このように、これまで学んだ言葉を遊びの中で繰り返し使いながら、親子で楽しく日本語に触れる機会となりました。
4.参加者からの反応と分析
参加者からは、子どもが自宅でも学んだ言葉を発するようになったという話が聞かれました。実際にワークショップ中にも、最初は戸惑っていた子どもたちが、少しずつその日のテーマの言葉を口にする様子がみられ、子どもたちはワークショップでの活動を通して「ことばのシャワー」を浴びていることがわかりました。子どもだけでなく親にとっても日本語や日本の文化に触れるきっかけとなり、今回のワークショップでの遊びは日本の保育園でも行われている活動であり、日本の保育になじみの少ない保護者にとっても、日本の保育における遊び方を体験する機会となりました。さらに、「日本語を子どもと学びたい」と、子育てを通して自身も日本語を習得したいという意見もありました。また、多くの参加者から、「また参加したい」、「このような場に参加できてよかった」と参加に対する肯定的な反応がありました。中には、スタッフから親子に対し歓迎の意を伝えると、涙ぐむ参加者もいました。外国人として日本人親子に向けて日本語中心で開催されている子育てサロンに参加しづらく孤独感を感じる親子にとって、親子で楽しめる重要な機会となり得たのではないかと考えられました。
5.今後の課題
今回のワークショップでは、3回すべてに継続して参加した親子は1組のみでした。そのため、参加者の継続的な参加をどのように促すかが今後の課題として挙げられます。継続的な参加が実現すれば、子どもが繰り返し日本語に触れる機会が増え、言葉の定着にもつながると考えられます。また、このような活動は親子にとって家庭や保育園・幼稚園とは異なる「サードプレイス」としての役割を持ち、安心して過ごせる居場所づくりにも寄与する可能性があります。今後は、定期的な開催の工夫や参加しやすい仕組みづくりについて検討する必要があります。
また、今回導入したアセスメントシートを活動の支援に活かしきれなかった反省があり、その活用方法も今後の課題となりました。参加前後の様子や子どもたちの日本語の使用状況を記録することで、活動の効果をより具体的に把握できると考えられます。今後は記録方法や活用の仕方についても検討していきたいと思います。加えて、参加者の年齢や日本語レベルに応じてグループを分けることも一つの方法だと考えられます。年齢の近い子ども同士で活動することで、子ども同士の関わりや遊びの広がりも期待できます。さらに、継続的な活動を通して、日本語の使用や理解の変化を長期的に見ていくことも今後の課題です。
また、今回導入したアセスメントシートを活動の支援に活かしきれなかった反省があり、その活用方法も今後の課題となりました。参加前後の様子や子どもたちの日本語の使用状況を記録することで、活動の効果をより具体的に把握できると考えられます。今後は記録方法や活用の仕方についても検討していきたいと思います。加えて、参加者の年齢や日本語レベルに応じてグループを分けることも一つの方法だと考えられます。年齢の近い子ども同士で活動することで、子ども同士の関わりや遊びの広がりも期待できます。さらに、継続的な活動を通して、日本語の使用や理解の変化を長期的に見ていくことも今後の課題です。
6.まとめ
外国ルーツの未就学児とその親を対象に、遊びを通して日本語を学ぶというコンセプトで開催したワークショップでしたが、言葉の習得だけでなく、親子が安心して楽しく遊べる場として意義があったと考えられます。全国的に外国ルーツの親子は増加していますが、今後このような取り組みが多くの場所で開かれ、外国ルーツの親子を包摂するような地域づくりが行われていくことが期待されます。。































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